今回は、マウスコンピューターのクリエイター向けノートPC「DAIV 5D-R5/5D-R7」のレビューとなります。
本製品のポイント!
☑専用グラフィックス「GeForce GTX 1660 Ti」採用
☑超高速規格 Wi-Fi6 に対応
☑イラストソフト「クリップスタジオペイント デビュー」付属
☑価格:109,800円~(DAIV 5D-R5)
目次
- 1 スペック:DAIV 5D-R5/5D-R7
- 2 外観:DAIV 5D-R5/5D-R7
- 3 キーボードとスライドパッド:DAIV 5D-R5/5D-R7
- 4 各種ベンチマーク
- 4.1 CINEBENCH R20ベンチマーク結果:DAIV 5D-R7/5D-R7
- 4.2 CrystalDiskMarkベンチマーク結果:DAIV 5D-R5/5D-R7
- 4.3 Adobe Photoshop CC ベンチマーク結果:DAIV 5D-R5/5D-R7
- 4.4 Adobe After Effects CC ベンチマーク結果:DAIV 5D-R5/5D-R7
- 4.5 Adobe Lightroom Classic ベンチマーク結果:DAIV 5D-R5/5D-R7
- 4.6 Blender ベンチマーク結果:DAIV 5D-R5/5D-R7
- 4.7 BlackMagic Designベンチマーク結果:DAIV 5D-R5/5D-R7
- 4.8 V-RAYベンチマーク結果:DAIV 5D-R5/5D-R7
- 5 最後に
スペック:DAIV 5D-R5/5D-R7
まず、スペックから確認します。
クリエイターブランド「DAIV」の中でもAMD Ryzenを搭載したモデル。
デスクトップ用のCPU(APU)を搭載しているのも特徴的です。
DAIV 5D-R5 | DAIV 5D-R7 | |
---|---|---|
OS | Windows 10 Home 64ビット | ← |
CPU | AMD Ryzen 5 3500 | AMD Ryzen 7 3700X |
グラフィックス | GeForce GTX 1660 Ti | ← |
メモリ | 8GB (8GB×1) PC4-21300 | 16GB (8GB×2) PC4-21300 |
M.2 SSD | 512GB NVMe対応 | ← |
液晶パネル | 15.6型 フルHDノングレア | ← |
無線 | インテル® Wi-Fi 6 AX200 (最大2.4Gbps) + Bluetooth 5 モジュール内蔵 | ← |
重量 | 約 2.62kg | 約 2.63kg |
外観:DAIV 5D-R5/5D-R7
ここでは、「DAIV 5D-R5/5D-R7」の外観を確認しました。
やはり、キーボードスライドパッド、入出力端子などどうなっているか気になりますし。
本体外観および添付品:DAIV 5D-R5/5D-R7
本体と添付品です。
ACアダプターについては、そこまで大きくありません。
本体裏面:DAIV 5D-R5/5D-R7
排気口は画像上面。
利用するときは、ノートPCの左後ろ側にものを置かないようにしておくよう注意しておいたほうがよさそうです。
また、バッテリーはネジによる取り付けるタイプ。
簡単に取り外すことは難しいですが、1回とりつければ頻繁に取り外すものではないため、これはこれで良いですね。
本体右側:DAIV 5D-R5/5D-R7
本体右側には、USB 3.0ポートとヘッドセット用とマイクのポートがあります。
中央にあるので、マウス操作の邪魔になることはなさそうです。
本体背面:DAIV 5D-R5/5D-R7
本体背面にはディスプレイ出力用ポートとして、USB-CとHDMI、ディスプレイポートと最大3つのディスプレイに出力可能ですね。
電源も背面に配置されているのですが、排気口の邪魔にならないように注意しておけばよいでしょう。
本体左側:DAIV 5D-R5/5D-R7
本体左側には、画像の左側から有線LANポート、USB 3.0×2、MicroSDカードリーダーと並んでいます。
有線LANポートがあるのはうれしいですね。最近のノートPCは無いモデルも多いのですが、大容量データをやり取りする可能性がある、クリエイターPCでは、やはりある方が安心できます。
また、MicroSDカードリーダーが搭載されています。
最近搭載されている機種がかなりあります。以前は通常のSDカードリーダーだったのですが、このあたりはスマートフォンで利用されていることが多いことから変更されているとみて良いでしょう。
ディスプレイ:DAIV 5D-R5/5D-R7
ディスプレイは、ノングレア液晶を採用しており、映り込みはあまりありません。
長時間の作業でも疲れにくいので、本格的な作業を予定している人にもおすすめですね。
キーボードとスライドパッド:DAIV 5D-R5/5D-R7
やはり、入力デバイスの使い勝手は大事です。
ここでは、キーボードとスライドパッドの使い勝手を確認しました。
キーボード:DAIV 5D-R5/5D-R7
テンキーが付いていますが、配置が特殊です。
ただ矢印キーが上下サイズが半分になったので、右シフトキーがまともになりました。
これを一段下に下げ、右側にWindowsキーを配置してくれると、離席時に「Windows」+「L」でロックできるのですが。
ほかでも言いましたが、キーボードのカスタマイズでテンキーの有無を選択できると良いのですね。
※某国内メーカーはできるのですが、販売台数がないと実装は難しいかもしれません。
また、電源ボタンの位置が独立しており右上にあるのは高評価。
欲を言えば、アプリを直接起動できるボタンがあるとさらに良いかと。
クリエイティブ作業では、利用するアプリケーションが限定されるので、2~3個設定できるとなお良いですね。
スライドパッド:DAIV 5D-R5/5D-R7
スライドパッドのサイズは、手持ちのiPhone 8の画面よりひとまわり大きいですね。
物理的にマウスの右と左があるのは、これはこれでありですね。
あとは、指紋認証がスライドパッドの左上にあります。
出来れば、右上に欲しいところです。
各種ベンチマーク
ここではPCの性能を図るため、各種ベンチマーク結果から確認します。
クリエイター向けノートPCですので、クリエイターが利用するソフトのベンチマーク結果をご紹介。
CINEBENCH R20ベンチマーク結果:DAIV 5D-R7/5D-R7
また、CPU-Zで確認した限り、「DAIV 5D-R5」が「Intel Core i7 7700K」より高性能であり、「DAIV 5D-R7」は、「Intel Core i7 10700」と比較しても1割程度低いぐらいです。
CPU名 | 結果 |
---|---|
Intel Core i5-8265U | 1117cb |
Intel Core i7-8665U | 1153cb |
Intel Core i7-9700T | 2262cb |
Intel Core i7-9750H | 2617cb |
Intel Core i9-9980H | 2930cb |
Intel Core i7-9700 | 3033cb |
Intel Core i7-10875H | 4184cb |
Intel Core i9-10885H | 3370cb |
AMD Ryzen 5 3500 | 2599cb |
AMD Ryzen 7 3700X | 4432cb |
先日レビューした「DAIV 5N」が搭載していた「Intel Core i7-10875H」と比較しても、「DAIV 5D-R7」はCPU性能が高いことがわかります。
また、「DAIV 5D-R5」でも、第9世代のノート用Intel CPUである、「Intel Core i7-9750H」と比較しても問題ないレベルです。
CPU性能だけで見ればどちらも高性能であることがわかります。
CrystalDiskMarkベンチマーク結果:DAIV 5D-R5/5D-R7
今回搭載されていたのは、「DAIV 5D-R5」「DAIV 5D-R7」どちらもADATA製NVMe M.2 SSDでした。
サイズの違いもありませんので、同じものと考えて良いでしょう。
速度については、NVMe M.2 SSDとしては一般的です。
Adobe Photoshop CC ベンチマーク結果:DAIV 5D-R5/5D-R7
他PCの比較
DAIV 5D(2019年モデル) GeForce MX 250 |
Overall Basic Score:685.8 |
---|---|
mouse W890 GeForce GTX 1650 |
Overall Basic Score:751.8 |
DAIV A7 GeForce RTX 2060 SUPER |
Overall Basic Score:995.2 |
DAIV 5N(2020年モデル) GeForce RTX 2060 |
Overall Basic Score:901.2 |
ENVY 15-ep0003TX GeForce RTX 2060 with Max-Q Design |
Overall Basic Score:913.8 |
DAIV 5D-R5 GeForce GTX 1660Ti |
Overall Basic Score:563.4 |
DAIV 5D-R7 GeForce GTX 1660 Ti |
Overall Basic Score:928 |
「DAIV 5D-R5」については、前モデル「DAIV 5D-R5」より低い結果となりました。
これは、メモリ8GBな点が足を引っ張っているのではないかと推測されます。
「DAIV 5D-R7」については、上位モデルの「DAIV 5D-R7」と比較しても高い結果となりました。
Photoshopではグラフィック性能も必要ですが、CPUの性能が大きく結果を左右するともいえます。
Photoshopを利用する際は、CPU性能とメモリサイズを中心に選ぶと良さそうです。
Adobe After Effects CC ベンチマーク結果:DAIV 5D-R5/5D-R7
「DAIV 5D-R5」はメモリ不足でベンチマークが動作しなかったため、「DAIV 5D-R7」のみの結果となります。
他PCの比較
AMD Ryzen 5 3600 GeForce GTX 1660 |
Ovarall Score 841 |
---|---|
DAIV 5N(2020年モデル) Intel Core i7 10875H GeForce RTX 2060 |
Ovarall Score 805 |
ENVY 15-ep0003TX Intel Core i9 10885H GeForce RTX 2060 with Max-Q Design |
Ovarall Score 942 |
DAIV 5D-R7 AMD Ryzen 7 3700X GeForce GTX 1660Ti |
Ovarall Score 922 |
かなり高い結果となりました。
登載されているグラフィックスでいえば、「DAIV 5N(2020年モデル)」のほうが上ですが、「DAIV 5D-R7」のほうが高い結果となりました。
「After Effects」も「Photoshop」同様、CPU性能とメモリが重視したほうがよいでしょう。
Adobe Lightroom Classic ベンチマーク結果:DAIV 5D-R5/5D-R7
デジタル一眼などで撮影された、写真などをRAW現像するのに利用されるソフトです。
Lightroom Classicは主にCPUの性能が大きく影響しますし、記憶装置の速度も大事となります。
そんな、Adobe Lightroom Classic にもベンチマークがありますので、そちらの結果を確認しました。
AMD Ryzen 5 3600 GeForce GTX 1660 |
Ovarall Score 765.5 |
---|---|
ENVY 15-ep0003TX Intel Core i9 10885H GeForce RTX 2060 with Max-Q Design |
Ovarall Score 832 |
DAIV 5D-R5 AMD Ryzen 7 3700X GeForce GTX 1660Ti |
Ovarall Score 635.5 |
DAIV 5D-R7 AMD Ryzen 7 3700X GeForce GTX 1660Ti |
Ovarall Score 928 |
やはり、CPU性能とメモリの結果が大きく数値に出ています。
メモリが8GBしかない、「DAIV 5D-R5」は思ったより性能が伸びていません。
こちらも、CPUとメモリが重要となっています。
Blender ベンチマーク結果:DAIV 5D-R5/5D-R7
無料3DCGソフトの「Blender」
結果をインターネット上で共有してあり傾向も確認できます。
Blender ベンチマーク結果(CPU)
他PCの比較
モデル名 | BMW27結果 |
---|---|
mouse F5-i5 (Intel Core i5-8265U) |
12m0s |
G-Tune E5 (Intel Core i7-9750H) |
5m46s |
DAIV Z7-QR4 (Intel Core i7-9700) |
4m49s |
DAIV 5N(2020年モデル) (Intel Core i7-10875H) |
4m2s |
ENVY 15-ep0003TX (Intel Core i9 10885H) |
3m42s |
DAIV 5D-R5 (AMD Ryzen 5 3500) |
6m4s |
DAIV 5D-R7 (AMD Ryzen 7 3700X) |
4m10s |
Blenderでは、CPUはIntelのほうが同レベルであれば高い結果となりました。
ただ、Blenderの場合は、専用グラフィックスの性能が大きく影響するため、あくまで参考として見ておくとよいでしょう。
Blender ベンチマーク結果(CUDA)
他PCの比較
モデル名 | BMW27結果 |
---|---|
G-Tune E5 (NVIDIA GeForce GTX 1660Ti) |
1m39s |
DAIV Z7-QR4 (NVIDIA Quadro RTX 4000) |
0m54s |
DAIV 5N(2020年モデル) (NVIDIA GeForce RTX 2060) |
1m21s |
ENVY 15-ep0003TX (GeForce RTX 2060 with Max-Q Design) |
1m33s |
DAIV 5D-R5 (GeForce GTX 1660 Ti) |
1m48s |
DAIV 5D-R7 (GeForce GTX 1660 Ti) |
1m39s |
同じ、GeForce GTX 1660 Tiを利用していても、DAIV 5D-R7のほうが短時間で完了する結果となりました。
違いは、CPUとメモリサイズです。
メモリサイズはG-Tune E5と同一ですので、違いはCPU。
少なからずCPUの性能が結果に影響を与えていると考えて良いでしょう。
Blenderを利用する場合は、CPUとグラフィックス性能が重要ですし、メモリサイズもそれなりのものが必要となるということがわかります。
BlackMagic Designベンチマーク結果:DAIV 5D-R5/5D-R7
Davinci Resolveを開発している「BlackMagic Design」
Davinci Resolve自体には推奨スペックの記載がありませんが、ベンチマークソフト「Blackmagic RAW Speed Test」を提供しています。
CPUでは、4320p30の一部までは可能ですが、CUDA(専用グラフィックス)なら、8K60FPSまで可能なことがわかります。
DAIV 5Nと比較しても問題ないレベルの結果となっています。
V-RAYベンチマーク結果:DAIV 5D-R5/5D-R7
3Dレンダリングソフトウェア「V-RAY」
こちらもベンチマークがありますのでそちらの結果を紹介。
他PCの比較
モデル名 | VRAY | VRAY GPU |
---|---|---|
G-Tune E5 (NVIDIA GeForce GTX 1660Ti) |
8,410 ksamples | 139 mpaths |
mouse F5-i5 (Intel Core i5-8265U) |
3,591 ksamples | 18 mpaths |
DAIV 5N(2020年モデル) (NVIDIA GeForce RTX 2060) |
10,606 ksamples | 186 mpaths |
ENVY 15-ep0003TX (GeForce RTX 2060 with Max-Q Design) |
9,750 ksamples | 155 mpaths |
DAIV 5D-R5 (GeForce GTX 1660 Ti) |
6,098 ksamples | 136 mpaths |
DAIV 5D-R7 (GeForce GTX 1660 Ti) |
12230 ksamples | 136 mpaths |
やはり専用グラフィックスを搭載したモデルは結果が突出しています。
GeForce RTX 2060 にはやはり劣りますが、それでも十分な性能といえるでしょう。
CPUの結果はそのまま性能が出ています。
最後に
今回は、DAIV 5D-R5/5D-R7を確認しました。
重量が、約2.5kgと持ち運ぶにはあまりお勧めできませんが、高性能で多くのクリエイティブ作業をこなすことができるでしょう。
用途によっては、DAIV 5Nよりも高い性能を発揮することもわかりました。
HDMIとThunderbolt、mini DisplayPortのポートを外部ディスプレイに接続することもできるので、複数の画面に接続するともっと快適に作業できます。
テンキーがありますが、特殊な配列ですので気になるなら別途キーボードを接続すると良いでしょう。
キーボードのバックライトもあり暗いところでの作業もタイプミスなく作業できるのも良いですね。
上でも言いましたが、私はテンキーの有無はキーボードのカスタマイズで選択できるとうれしいです。
DAIV 5D-R5はメモリを16GBへカスタマイズすると、クリエイティブ作業用のノートPCとしても十分活躍してくれます。
DAIV 5D-R7はメモリを32GBへ増やせば、多くのクリエイティブ作業が快適となるでしょう。
※本レビューはマウスコンピューター様のご厚意により実機をお借りしてのレビューとなります。
※内容は公開当時の内容であり、現在と異なる場合があります。