コラム

Windows 11 25H2 アップデートが SAFE_OS で失敗した原因と、Enablement Package で突破した話

Windows 11 24H2 から 25H2 へアップデートしようとしたところ、何度試しても失敗し、次のエラーが表示されました。

更新プログラムをインストールできませんでした
SAFE_OS フェーズの MIGRATE_DATA 操作中にエラーが発生しました。
エラーコード: 0x8007042B-0x2000D

Windows Update からの通常アップデートだけでなく、ISO を使ったインプレースアップグレードでも同じエラーで失敗する、なかなか厄介なケースでした。

最終的には、Enablement Package(イネーブルメントパッケージ) を適用することで、無事に Windows 11 25H2 へアップデートできました。本記事では、その過程を備忘録としてまとめます。


発生したエラー:SAFE_OS / MIGRATE_DATA / 0x8007042B-0x2000D

エラー内容は以下の通りです。

0x8007042B-0x2000D
MIGRATE_DATA 操作中にエラーが発生したため、
インストールは SAFE_OS フェーズで失敗しました。
  

このエラーは、一般的に次のような要因が疑われます。

  • ドライバやアプリの互換性問題(BlockMigration)
  • WinRE(Windows 回復環境)の破損
  • システム証明書ファイルの破損
  • ユーザープロファイルの破損

今回は、ここから一つずつ切り分けていきました。


調査①:CompatData.xml の BlockMigration を確認

まず、互換性チェックでブロックされていないかを確認します。

以下のフォルダにある CompatData*.xml を開き、BlockMigration="True" を検索しました。

C:\$WINDOWS.~BT\Sources\Panther\CompatData\
  

すると、2 つの INF ファイルが BlockMigration 対象 になっていました。

  • oem189.inf → Microsoft Print to PDF
  • oem190.inf → Microsoft XPS Document Writer v4

どちらも Windows 標準のプリンタードライバです。本来であればアップグレードをブロックするような存在ではありませんが、今回はこれらが原因としてマークされていました。

デバイスマネージャー削除だけでは不十分だった

最初はデバイスマネージャーから「Microsoft Print to PDF」と「Microsoft XPS Document Writer v4」を削除しましたが、C:\Windows\INF\oem189.inf / oem190.inf は残ったままでした。

そのため、INF ファイルを手動で削除 しました。

C:\Windows\INF\oem189.inf
C:\Windows\INF\oem190.inf
  

その後、再度アップデートを試すと、CompatData.xml から BlockMigration="True" が 0 件に なり、互換性ブロックは解消されました。


調査②:BlockMigration 解消後も SAFE_OS で失敗

互換性ブロックが消えたので「これで通るだろう」と思いきや、ISO からのアップグレードでも再び SAFE_OS フェーズで失敗しました。

ここで分かったのは、

互換性(BlockMigration)の問題は解消したが、
それとは別に SAFE_OS フェーズ側の問題が残っている

ということです。

WinRE の状態を確認

次に、WinRE(Windows 回復環境)の状態を確認しました。

reagentc /info
  
  • 状態(Status):Enabled
  • 場所(Location):表示あり
  • 回復パーティション:約 2000MB / パーティション番号 4 / タイプ「回復」

サイズ不足やパーティション欠損ではなさそうだったため、WinRE パーティションそのものは問題なしと判断しました。

DISM / SFC も実行しましたが、アップデート失敗は解消しませんでした。


最終手段:Enablement Package(イネーブルメントパッケージ)を適用

ここまでの状況を整理すると:

  • BlockMigration(互換性ブロック)は解消済み
  • WinRE パーティションも正常(2GB / 回復)
  • それでも SAFE_OS / MIGRATE_DATA で 0x8007042B-0x2000D が発生
  • ISO からのインプレースアップグレードも失敗

この時点で、原因追及を続けるとかなりの時間がかかると判断し、方針を切り替えました。

Enablement Package とは?

Windows 11 25H2 では、Enablement Package(イネーブルメントパッケージ) と呼ばれる「機能有効化用の小さな更新プログラム」が提供されています。

特徴としては:

  • WinRE を使わない
  • MIGRATE_DATA を実行しない
  • SAFE_OS フェーズを通らない
  • OS の中身は 24H2 とほぼ同じで、「機能フラグを ON にするだけ」

つまり、今回のような SAFE_OS / MIGRATE_DATA 系のエラーを丸ごとバイパスできる仕組みです。

Enablement Package を適用した結果

実際に Enablement Package を適用したところ、

  • エラーなく処理が完了
  • 再起動後、Windows 11 25H2 へ正常にアップデート

ISO でも通らなかったアップグレードが、Enablement Package では一発で成功しました。


今回のケースから分かったこと

  • 0x8007042B-0x2000D(SAFE_OS / MIGRATE_DATA)は原因が複数あり得る
  • CompatData.xml の BlockMigration="True" は必ず確認した方がよい
  • Windows 標準プリンタードライバ(Print to PDF / XPS)が原因になることもある
  • BlockMigration を解消しても、SAFE_OS 側の問題が残るケースがある
  • ISO で何度も失敗する場合、Enablement Package は非常に有効な選択肢

特に、

ISO でもアップデートに失敗するのに、
25H2 の Enablement Package は適用可能な状態

という環境では、最初から Enablement Package を検討した方が、時間的にも精神的にも楽だと感じました。


まとめ

今回のケースでは、

  • 互換性ブロック(BlockMigration)
  • 標準プリンタ INF の破損
  • SAFE_OS フェーズの OS 側エラー

といった要因が複合して、Windows 11 25H2 へのアップデートが何度も失敗しました。

最終的には、Enablement Package を適用することで、すべての問題を迂回して 25H2 へ到達 できました。

同じように、

  • 0x8007042B-0x2000D が出る
  • SAFE_OS / MIGRATE_DATA で失敗する
  • ISO でもアップグレードできない

といった状況で悩んでいる方の参考になれば幸いです。

 

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